氷菓(第六話)
ありえない幕間劇『奉太郎の100冊』
♥「その本、第六話で読んでましたよね?」
♠「唐突にメタ発言をするな!」
♣「まあまあ。これは篠田節子作、『夏の厄災』だね。直木賞候補となった作品だよ。」
♦「へぇ。どんなストーリーなの?」
♥「私、気になります!」
♣「東京郊外のニュータウンに突如発生した奇病は、日本脳炎と診断された。
撲滅されたはずの伝染病が今頃なぜ?感染防止と原因究明に奔走する市の保健センター職員たちを悩ます硬直した行政システム、
露呈する現代生活の脆さ。その間も、ウイルスは町を蝕み続ける世紀末の危機管理を問うパニック小説の傑作なんだ」
♠「本の背表紙に書かれていることを読んでどうする」
♣「まあ、読んでみてのお楽しみ!ってことさ」
♦「もう!」
♥「そういえば『クドリャフカの順番』でも本を読んでましたね。普段どんな本を読むのでしょうか?」
♠「そうだな、姉貴が残していった本もあるが、だいたいこんなものだ。」
♣「あまりミステリを読まないんだね。」
♠「まあな。だから本編でもお前らにシャーロックについて聞いた」
♦「そういえば……」
♠「読書の趣味なんて人それぞれだ。評価より、気になった本を読めばいい。」
♣「その台詞。ひょっとして、ジョークかい?」
♠「んな訳あるか!とにかく、ここで紹介している本は俺もオススメできるから、もし気になったら読んでみてくれ。」
♥「ところで……」
♠「?」
♠「!!」
♥「この写真を撮ったのが、一体何処なのか?私……気になります!!」
一部の画像を比較研究目的により引用しています。作品の著作権(画像も含む)は米沢穂信・角川書店/神山高校古典部OB会にすべて帰属します。